みやすのんき『OHパンタクBOY』

Oh・パンタクboy 1 (ジャンプコミックス)

Oh・パンタクboy 1 (ジャンプコミックス)

連載:『月刊少年ジャンプ』(1999〜2000年)
単行本:集英社ジャンプコミックス(1999〜2000年) 全3巻


 『ゴルフ19』の作者でもある、みやすのんきが、同作品の終了後に、久々に古巣の『月刊少年ジャンプ』にて描いた作品。
 私立ファントム学園中学の新入生である赤丸正太が、学園の裏庭で女学生のスカートの中身を除き見していた時、主人公・神代マコトから「素質あるねえ」と声をかけられ、マコトが部長を務める「パンタク部」に勧誘されるところから物語は始まる。パンタク(拓)とは、下着をつけた女性の下半身を本物そっくりの感度で再現した模型であり、それは「パンタクボール」と呼ばれる謎の球体を女性の下半身に投げ当てることで入手することが出来る(要はポケモンのパロディである)。マコトは学園中の様々な女生徒や女教師達のパンタクを集めていくのだが、その過程の中で、テニス部部長の岩館君子と対決する物語が第三話(単行本第1巻収録)で描かれる。
 みやすのんきと言えば、言わずと知れた少年漫画における「ちょいエロ漫画」のパイオニアの一人だが、彼の作品におけるエロスの根源は、実は露出そのものではなく、女性キャラ達の「羞恥の表情」なのだということを、この作品は改めて教えてくれる。本作品においては、別に女性の裸体が描かれることもなく、露出という次元においては『ドラえもん』にすら及ばない。
 だが、パンタクを取られる時、およびその前後の屈辱的なシチュエーションにおける女性の表情の描き方が極めて秀逸であり、それこそが本作品におけるエロスのエッセンスなのである。まさにそれは性の表現が限られた少年誌という環境の中でこそ生まれた技術であり、彼の本領を発揮出来る土俵は、やはりこの『月刊少年ジャンプ』という雑誌だったのではないかと思う。
 とはいえ、実際のところ本作品は、エロよりもむしろ、「この上なくくだらないコトに真剣に取り組む少年」という存在の面白さを描いた作品であり、そのナンセンスな設定を楽しむのが正当な読み方だろう。無論、テニス漫画としての価値は全く無いし、作者もそんな評価は欠片も望んでいないことは間違いない。