朝田光(原作)/亜桜まる(漫画)『14(ジューシー)』

14ジューシー (ジェッツコミックス)

14ジューシー (ジェッツコミックス)

連載:『ヤングアニマル嵐』(2005〜2007年)
単行本:白泉社ジェッツコミックス(2006〜2008年) 全2巻


 『週刊少年マガジン』にて『090えこといっしょ』を連載していた亜桜まるが、同時期に『ヤングマガジン嵐』にて、朝田光の原作に基づいて描いていた四コマ漫画。朝田光に関しては残念ながらよく分からなかったが、昨今もこの二人の名義で同誌で「保健室のあおいちゃん」を掲載している。
 主人公は、私立西瓜中学校に通う、結城リエコ(サッカー部)、野上真奈(野球部)、天海幸子(陸上部)という三人のマネージャー。長身・ボーイッシュで部員以上の選手としての実力を持つリエコ、常に牛柄のコートを着込んだトラブルメーカーの真奈、そして眼鏡で非力で弱気な天然娘の幸子という、全く異なるタイプのこの三名を軸に、様々な運動部の女子マネージャー達の日常を描いた作品である(なお、タイトルの「14」は、この三名の年齢に由来していると思われる)。
 そして、本編中ではこの三人の他にも、バスケ部、バレー部、水泳部など、様々な部活の女子マネージャー達が描かれており、第10話(=ぶかつどう10)と四コマ編(=かがいかつどう)においては、テニス部のマネージャー・王城姫子が登場する。しかし、出番は二つ合わせても僅か数コマであり、他のテニス部員もほんの僅かしか出番が無いため、作品中での「テニス部」の扱いは非常に軽い。
 まぁ、全体的に「キャラ萌え」を前提とした作風ではあるが、話によってはオチが秀逸なエピソードもあり、まったりコメディ漫画として、そこそこ楽しめる内容ではある(ただ、残念ながら上記の姫子が登場する話はイマイチだったが)。特に、各話の最後に描かれている(おそらく単行本描き下ろしの)「追加オチ」のセンスも良い。
 とはいえ、基本的には「自分のお気に入りのキャラ」を見つけて楽しむのがこの手の漫画の正しい読み方だろう(その意味では私は、上述のリエコと、男子バスケ部のマネージャーの太田千影が萌えツボである)。ただ、わずか2巻の内容なので、テニス部の姫子を初めとして、実質一回しか登場していないキャラも多く、作品としての魅力を発揮する前に終了してしまった感が否めないのが、残念な点ではある。