イタバシマサヒロ(原作)/玉越博幸(漫画)『BOYS BE... 2nd Season』

連載:『週刊少年マガジン』(1997〜2000年)
単行本:講談社マガジンKC(1997〜2000年) 全20巻


 『BOYS BE ... 新恋愛白書』の続編として描かれた全147話のオムニバス連載作品。そのうちテニス部を題材とした物語は3本あり、以下ではそれらについて紹介する。
 「禁断のスクワット運動」(第14巻第101話)は、女子テニス部員の白河ナナに片想いしている男子テニス部の倉田が、先輩の命令で「好きな女の名前を叫びながら腰振り運動」をさせられ、その場面を白河本人に目撃される、という物語。
 「半径3m以内恋愛」(第17巻第126話収録)では、恋愛には全く疎い男子テニス部の主人公・森田晋作と、そのダブルスパートナーの志賀和歌子、そして春のミックスダブルス優勝者である同部のテルオ&クミの4人の、それぞれの恋愛模様が描かれる。
 「受験生(ボク)の女神(ヴィーナス)」(第19巻第141話)では、中三の男子テニス部員シンゴが、第一志望の東高校に願書を出しに来た時に、憧れの先輩・三田香菜とその友人の「あらくれ女」こと良子と再会し、なりゆき上、良子に勉強を習うことになる。
 作品全体の内容に関しては第一部の頃とあまり変わらないが、複数回にわたって登場するフェチ3人組の話や番外編の「JUSTICE」に代表されるような、ちょいエロ・コメディ系のエピソードが増えたように思える。絵的には、第一部後期〜第二部初期が一番好きなのだが、残念ながらその時期には本格的にテニス部を描いた物語は存在しない。ただ、上記の三作品のメインヒロインがショート髪なので、それだけでも私は十分に満足。
 テニス描写に関しては「禁断の〜」と「半径〜」では混合ダブルスの場面が描かれており、それらが本筋の恋愛劇に深く関わっている。一方、「受験生〜」ではテニス部の場面自体は冒頭のみだが、良子の語る「思い出話」や最後の「健全なお色気シーン」でテニス部設定が生かされている。
 ちなみに、他にも高校生が避暑地でテニスに興じる場面が描かれる「なりきりクリスタル・ラブ」(第5巻第35話) や、テニス少女とサッカー少年の物語を描いた「ニキビのテレパシー」(第9巻第67話)なども存在しており、明らかに「テニス」が登場する割合が前作よりも増加している。 そしてこの傾向の延長線上に、第三部「L CO-OP」が生まれることになる(以下、次週)。