イタバシマサヒロ(原作)/玉越博幸(漫画)『BOYS BE... L CO-OP』

Boys be…―L co‐op (1) (少年マガジンコミックス)

Boys be…―L co‐op (1) (少年マガジンコミックス)

連載:『週刊少年マガジン』(2000〜2001年)
単行本:講談社マガジンKC(2000〜2001年) 全6巻


 マガジンの長期連載作品『BOYS BE...』シリーズの第三弾。前作までのオムニバス形式を一新して連続ストーリーとして描かれた。イタバシはその後、少女漫画家なかはらももたとのコンビで『のんdeぽ庵』シリーズを連載し(本日発売のKissにて第二部最終回)、玉越は『ガチャガチャ』などを同誌で描いた後に、現在は山本弘原作の『魔境のシャナナ』をバンチで連載中。また、二人の合作としては他に『A GIRLS』(ブレイド)などがあり、来月からは『BOYS BE... next season』がマガスペで開始される。
 主人公は、西の丘高校一年生の大矢英志(通称:ヒデ)。入学式で出会ったクールな美少女・出水凛々香に人目惚れした彼が、同じクラスの脇田(通称:ワッキー)、山本(通称:山ちゃん)という二人の男子と共に、互いの恋愛を助け合う「恋愛生活協同組合」としての「L CO-OP」を結成することになる、というのが第一話の物語。
 以後は基本的にヒデと凛々香の関係の推移を主軸としつつ、ワッキーや山ちゃん、そして彼等の周囲の高校生達の恋愛群像が描かれるのであるが、主人公達とは接点の薄いゲストキャラ同士の恋愛物語に関しても、(前二作とは異なり)彼等の「その後」が、以後の話でもちょくちょく描かれている辺りが、個人的にはちょっと嬉しい(たまに、完全に使い捨てのキャラ/カップルもいるが)。
 そして、3人の中で一番女好きのワッキーは、美人の先輩目当てにテニス部・茶道部・ハイキング部に所属しているのだが、第7-8話において、彼と同じテニス部の一年生・萩原菜摘のテニスの練習に協力する物語が描かれる。その後、萩原はセミレギュラーとして物語の終盤まで登場し続け、他のテニス部員も様々な形で物語に登場することになるのであるが、残念ながらテニスの試合の場面が描かれることは無かった。とはいえ、主要キャラにテニス部員が抜擢されているだけでも、初期に比べれば大きな変化である。
 正直、絵的にはクセが強くなりすぎてしまって、私の第一印象としてはあまり好みではなかったのだが、読み始めていくと段々と「これはこれでアリかな」と思えるようになっていった。性格的にもクセの強い女の子が増えた気がするが、それはそれで可愛いしね。