「オムニバス」って、なに?

 今回のレビュー作品である『シュガーズ』のことを、私は「オムニバス形式の恋愛群像劇」と評した訳ですが、この「オムニバス形式」という言葉の定義、実は私の中では今一つはっきりしていなかったりします。
 一般的には「オムニバス形式」という言葉は、「連続ストーリー」の対義語として使われていると思います。それぞれの物語が独立している話、ということなのではないかと。だから、『高橋留美子劇場』や『BOYS BE...』のように、各話の間に物語的な意味での連関性がほぼ存在しない作品を「オムニバス形式の作品」と説明することには納得出来ます。
 しかし、この『シュガーズ』や『初恋限定。』のような「視点は変わるものの、物語の内容は繋がっている作品」のことまで「オムニバス形式」と呼んでも良いのだろうか? と考えると、ちょっと疑問に思えてしまうのです。でも、多くの紹介記事で「オムニバス形式」と書かれているので、ひとまずそれに従って表記している訳です。
 一方で、実質的に各話の連関性の薄い『ドラえもん』や『こち亀』のような作品は「一話完結形式」ではありますけど、「オムニバス形式」とは呼ばれないですよね。
 これらと『シュガーズ』や『初恋限定。』との違いは何なのでしょう? やっぱり、「主人公」が固定されているか否か、ということなのでしょうか。ということは、「オムニバス作品=原則として一話完結で、主人公が固定されていない作品」ということで良いのでしょうか?
 ただ、もし仮に、この定義で正解だとしても、今度は「一話完結」と「主人公」の定義を明確化する必要もあると思うんですよね。これも意外に難しい問題だと思うのですが、ちょっと話が拡散しそうなので、なんか中途半端なままですが、ひとまず今回はこれにて終了。続きは、気が向いたらまた書きます。