「このマンガが凄かった! 2012」

 ということで、先週告知した通り、今週は年末企画の第二弾として「このマンガが凄かった! 2012」をお送りします。
 今回のランキング対象は「今年、最終巻が発売された作品」です。「今年始まって、今年終わった作品」や「単巻作品」も、「全体を通して評価することが可能な作品」という意味で、こちらに分類した上で、まずは私の中でのベスト5を選んでみました。


5位 天王寺きつねオルフィーナSAGA

オルフィーナSAGA 8 (ドラゴンコミックスエイジ て 1-1-8)

オルフィーナSAGA 8 (ドラゴンコミックスエイジ て 1-1-8)

 角川作品としては異例のロングラン作品となった中世ファンタジー(の皮をかぶったSF)冒険譚。正直、途中から絵柄の変遷が受け入れられず、終盤は「頼むから早く終わってくれ」状態だったのだが、それでも最後(特にエピローグ)のまとめ方が綺麗だったことと、何より(白夜書房版も含めれば)20年近く描き続けたその功績を評してのランクイン。お疲れ様でした。


4位 小野不由美藤崎竜屍鬼

屍鬼 11 (ジャンプコミックス)

屍鬼 11 (ジャンプコミックス)

 小野不由美のホラー小説のコミック版。終盤はアニメとほぼ同時進行となりつつも、微妙に異なるラストを迎えることになったので、その細部を色々と比べてみるのも面白い。屍鬼(&人狼)と人間の双方の視点から、「生きるために必要な殺し合い」を終始不気味なトーンのまま淡々と凄惨に描ききった手法は実にお見事。いずれは原作小説も読んでみたいな。


3位 渡辺静この彼女はフィクションです

この彼女はフィクションです。(4) <完> (講談社コミックス)

この彼女はフィクションです。(4) <完> (講談社コミックス)

 「妄想少年」と「文学少女」と「フィクションの少女」の奇妙な三角関係を描いた作品。私の中で、フーコ先輩は文句無しに今年一番の萌えキャラ。特に第16話の回想のエピソードはひたすら秀逸。多分、私の高校時代にこんなコト言ってくれる先輩がいたら、私は一生、その人について行こうと決めただろうな。打ち切りとはいえ、最終回のまとめ方も良かったと思う。


2位 やまもり三香『シュガーズ』

シュガーズ 6 (マーガレットコミックス)

シュガーズ 6 (マーガレットコミックス)

 一つの街を舞台としつつ、視点&年代を様々に交差させながら多様な恋愛模様を描いたセミ・オムニバス(?)作品。一つ一つの話も素晴らしいのだが、各話の間でのさりげない伏線の貼り方と、最終回できっちりほぼ全てのカップルを(一コマだけの人々もいたとはいえ)描ききった丁寧な構成を高く評価したい。特に最後の一コマの演出は、私の中では絶品だった。


1位 清野静流『純愛特攻隊長! 本気(マジ)』

純愛特攻隊長! 本気(4)<完> (講談社コミックス別冊フレンド)

純愛特攻隊長! 本気(4)<完> (講談社コミックス別冊フレンド)

 無印含めて合計17巻にわたって描かれた、別フレのハイテンション・ラブコメ作品。男女共に魅力的なキャラ、絶妙に暴走したテンポ、クセになる笑いのセンス、そして最後までひたすらに貫く「純愛」主義。まさに私にとって理想の「王道ラブコメ」。正直、もう少し続けてほしかったけど、惜しまれて去るのが華という意味では、ちょうどいい区切りだったのかもしれない。実質、後半の主役だった由香里の恋も、ちゃんと決着ついたしね。


 ちなみに、次点は『紅色HERO』でした。最後まで入れるべきか迷ったのですが、最終的にはレーベル枠を考慮して除外。まぁ、本記事の方で既に紹介してますしね。
 あと、『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』も迷ったんですが、直後に外伝が続いてるので、それが終わった時でいいかな、と(『ナポレオン』も同様)。パッパラ隊ハーメルンも「どうせまた続き描くんでしょ?」という期待を込めて、除外しました(てか、ハーメルンはアレで終わりとか、ありえないし)。


 で、先週の「〜凄そう!」に関して、思った以上に各方面から参戦希望の方々が現れて下さったので、「2012年1月7日」の時点で、ひとまず皆さんが書いて下さった「凄そう!」および「凄かった!」のランキングをまとめて、リンク集的な記事を書きたいと思います(その後に書いて下さった方の記事にも、追加でリンクは貼ります)。
 ですので、このコンセプトでランキング記事を書いて下さる方は、この記事の掲示板、もしくはdarkmist@pop21.odn.ne.jpまで、御一報下さい。よろしくお願い致します。