「生」の多様性

 今回取り上げた「村生ミオ」先生は、みんな大好き漫画ゴラクの『SとM』の作者として有名ですが、私はずっとこの人の名字を「むらき」だと思っていました。それが、今回の単行本のルビで、初めて「むらお」だと分かった次第です。
 私がなぜ「むらき」と読んでしまったのかというと、それはおそらく、世代的に「岡本夏生(なつき)」さんの印象が強いからだと思います。ただ、一方で、『フォーチュンクエスト』のイラストなどで有名な「迎夏生」さんは「むかい・なつみ」さんなんですよね。なので、この「生」という字には、いつも悩まされます。
 ちなみに、「み」のパターンとしては他に、女流歴史小説作家の「塩野七生(ななみ)」さんがいて、私は中学生の頃にこの人の作品も何本か読んだのですが、ずっと「ななお」さんだと勘違いしてました(ついでに言うと、男性の方だと思ってました)。実際、東京都には「七生(ななお)」という地名もあるらしいので、ちょっと紛らわしいんですよね。
 そんな訳で、「生」とは、フリガナがないと「き」なのか「み」なのか「お」なのか分からない、非常に困った漢字なのです。ただ、この人の場合、下の名前が「ミオ」なので、なんとなく、それと被らない「き」が正解なのかと、私の中で無意識のうちに勝手に決めつけてしまっていたようです。
 ちなみに、この人の本名は「村井幹生(むらい・みきお)」だそうです。なんか、それを聞くとますます「み」と「き」と「お」がゴチャゴチャになってきますね。ついでに言うと、この人の師匠の名前も、なぜか私はよく「柳沢みきお」と間違えてしまいがちです(というか、そもそもこの二人を混同すること自体が多いのですが)。まぁ、それだけ「き」「み」「お」は、私の中ではなぜか鬼門、ということなのかもしれません。