まりお金田『わいるど☆ぴっち』

わいるど・ぴっち 1 (ヤングジャンプコミックス)

わいるど・ぴっち 1 (ヤングジャンプコミックス)

連載:『ウルトラジャンプ』(2005〜2007年)
単行本:集英社ヤングジャンプコミックスウルトラ(2006〜2007年) 全3巻


 『GIRLSブラボー』などで有名なまりお金田が、ウルトラジャンプで描いた作品。3巻の巻末には、本作品の前に描かれた「めたっ!!」も収録されており、本編終盤では同作品のキャラもゲスト出演している。ちなみに、作者は今週号の週刊少年チャンピオンから『はみどる!』を連載開始した。
 主人公は、野球の名門・福山実業高校でエース投手であった桜庭健司。とある事故の責任をとって野球部を退部した彼は、野球部の無い嶋咲高校へと転校することになったのだが、彼の下宿先の家の一人娘である間宮イツカは、その嶋咲高校に新たに野球部を設立しようと目論んでいた。桜庭の過去を一切知らないまま、イツカは彼を無理矢理野球部に入部させ、正規の部活動への昇格を目指して活動していくことになる。
 イツカは典型的な「天然暴走ヒロイン」であり、豊満な身体を無自覚に露出させながらハイテンションに騒動を引き起こしていくが、実はそもそも野球のルールもよく分かっていない。桜庭はそんな彼女の無神経な言動にひたすらイラつかされつつも、彼女の親友・金成千歳(かなり・ちとせ)の陰謀によって、様々な形で協力させられることになる。
 そんな彼等のライバル的存在として登場するのが、女子テニス部員にして生徒会役員でもある小津薫、安藤礼、麻里井杏の3人である。おそらく某フランス革命漫画の面々をモデルにしたと思われるゴージャスな風貌の彼女達が、非常識に暴れ回るイツカ達に翻弄されるというのが、本作品の「お約束」的な要素の一つとなっている。彼女等がテニスをする場面自体は登場しないが、物語の途中で(なぜか)登場するコウガイビルとの戦闘(?)などにおいて、彼女達がラケットを振るう場面は登場する。
 かなり独特のテンポで描かれる作品なので、コメディとしても好き嫌いは分かれると思うし、物語全体でも色々と矛盾点や説明不足な箇所が多く、お色気漫画としても中途半端な印象なので、あまり手放しにお薦め出来る作品ではない。まぁ、あとは純粋にキャラ萌えで楽しめるかどうか、かな。私的には、テニス部の三人娘が結構ツボだったので、その意味では楽しめたのだけどね。