「少女漫画」の範囲

 前回の記事に対して、某氏のはてブで「スポーツ少女漫画としても最多の単行本巻数」という私の説明に対して、「ケイリン野郎は女性誌だったしな」というフォロー(補足?)を頂いた訳ですが、実際のところ「少女漫画」の範囲というのは難しい問題だと思います。
 まずそもそも、「少年漫画:少女漫画=青年漫画:○○」の○○に相当する言葉が何なのかが微妙です。本来は「レディコミ」がそれに相当する言葉だった筈なのですが、どうも「レディコミ=愛欲ドロドロのエロ漫画」というイメージが定着してしまったせいか、最近は「ヤングレディコミ」とか「女性漫画」とかいう言葉もあるそうで。なんか今一つ、どの言葉もしっくりこないんですよね。
 とりあえず、以下では便宜的に「女性向け青年漫画」のことを「(広義の)レディコミ」と呼びますが、ケイリン野郎が掲載された『Judy』に関しては「レディコミ」で間違いないでしょう(実際、昨年の同誌休刊時にマスコミは「レディコミ誌」として紹介されていましたし)。では、同じ小学館の『月刊flowers』はどうかというと、amazonだと「少女コミック」扱いですが、7&Yでは「レディス」に分類されています(単行本レーベル的には「少女」扱いが妥当だと思う訳ですが)。その意味でも、「少女漫画」と「レディコミ」の境界線って、非常に微妙なんですよね。あえて曖昧にすることで、両方の層を取り込もうとする戦略もあるのでしょうが。
 更に言えば、「児童漫画」との境界も微妙です。たとえば『あさりちゃん』は主に『小学○年生』で連載されていますが、一時期は(『ぴょんぴょん』経由で)『ちゃお』でも掲載されていた訳で、その意味では「少女漫画」に入れてもいい気がするんですよね(単行本は「てんとう虫」なので、ちと苦しいですが)。ちなみに、「児童漫画」を独立カテゴリーとして認めず、「女児向け漫画」を全て「少女漫画」に含めた場合、『しゃにむにGO』に次ぐ単行本巻数の「スポーツ少女漫画」は『うわさの姫子』の全31巻です(『おはよう姫子』まで含めれば、合計39巻)。