松山せいじ『エイケン』
- 作者: 松山せいじ
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2001/09
- メディア: コミック
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単行本:秋田書店チャンピオンコミックス(2001〜2004年) 全18巻
現在は『サンデーGX』の『ゆりてつ〜私立百合ヶ咲女子校鉄道部〜』などを連載中の松山せいじが、『週刊少年チャンピオン』にて描いた代表作にして出世作。2002年にはラジオドラマ化、2003年にはOVA化を果たした。
主人公は、私立ザッショノ学園高校の一年生の三船伝助。あまりにも陰が薄く、どの部活動からも勧誘されなかった彼が、学園のアイドルである東雲(しののめ)千春と学園内で衝突し、彼女の胸を鷲掴みにしてしまう場面から物語が始まり、諸々の経緯の末に、二人は奇怪な特技を持つ女生徒ばかりで構成される謎の部活「エイケン部」へと勧誘されることになる。
典型的なハーレム系ラブコメであり、初期の作風は全体的にクセが強く、やや読みにくさを感じるのだが、中盤以降は徐々に安定し、より多様な女性キャラを登場させることで、少しずつ「ちょいエロ萌え漫画」として精錬されていく。最終的には約30人の恋愛対象候補キャラが登場するので、さすがにそれだけいれば、一人くらいは自分の萌えキャラが見つけられるだろう。
ちなみに、本作品は極端に強調した巨乳の描き方が特徴的で、全体的にバストサイズがインフレ気味なのだが、そんな中、千春の級友でテニス部員の赤坂留加(るか)は、本作品においては非常に貴重な「貧乳キャラ」の一人として描かれている。ただし、彼女自身はテニスウェアで他の級友達と共に何度か登場する程度で、試合や練習の描写は一切ない(一応、学園内の描写において、何度かエキストラ的なテニス部員が登場することもある)。
なお、「エイケン」の呼称の意味については、単行本の最終巻で「初期設定」としてその意義が記されていたのだが、最終的にはその設定は消滅したとのことなので、本編におけるこの部活動の意義は最後まで不明のまま終わっている。まぁ、そもそも物語的にも無理のある設定・展開が多すぎる作品なので、そんなことを一々気にしても仕方ないんだけどね。