恵月ひまわり『私立ヤバスギ学園』

私立ヤバスギ学園(1) (講談社コミックスなかよし)

私立ヤバスギ学園(1) (講談社コミックスなかよし)

連載:『なかよしラブリー』(2004〜2007年)
単行本:講談社なかよしKC(2006〜2007年) 全4巻


 講談社の『なかよし』の季刊増刊号『なかよしラブリー』にて描かれた作品。作者の恵月ひまわりは、本作品の前に『ウ・シ・ロNO天使』『みるくSHAKE!』『アヒル』を『なかよし』本誌にて連載していた。なお、姉妹作品として『私立モテスギ学園』も存在する(2〜4巻の巻末に収録)。
 主人公は、小学6年生の少女・弥勒風羽(みろく・ふう)。地元の小学校で女子を虐める男子達を退治していた彼女が、謎の女性・バーバラの命令で、同学年の内山苺花(いちか)、葛(つづら)龍子と共に、男尊女卑の激しい私立山杉学園へと潜入し、女子に対してイジメ・セクハラの限りを尽くす男子生徒達を、救世主(メシア)の名の下に粛正する、という物語。
 山杉学園の男尊女卑は「良妻賢母を育てる」という名目で正当化され、女子生徒達も「この学園を卒業すれば良家の殿方と結婚出来る」という理由から、やむなく横暴に耐えているのであるが、男子生徒や教員からの彼女達への(主に性的な)虐待の数々は、教育委員会に知られたら一発で廃校確定なレベルであり、彼等の品性下劣さは『ハレンチ学園』にも匹敵する。
 一方、そんな彼等を「お仕置き」する主人公達は、毎回様々なコスプレで登場するのであるが、最後の必殺技は「電気アンマ」などの股間攻撃ばかりであり、下品さでは男子生徒に負けていない。そして第3話の冒頭では、お蝶夫人に扮した彼女達が、体育終了後の女子生徒からブルマを剥ぎ取ろうとしていた男子生徒達の股間を、テニスボールで粉砕する場面が描かれる。
 個人的には、こういうバカで下品な漫画が低学年向け少女漫画誌に載っていることに、ちょっと安心した。女の子が堂々と下品な漫画を読める環境って、結構重要だと思うんだよね。漫画界全体のためにも。ちなみに、私のお気に入りは龍子。黒髪ロングのクール美女でありながら、実はヲタクで、意外に惚れっぽい(騙されやすい)というギャップが最高ですな。