レビューのタイミング

 ウチのブログが「完結作品」に限定してレビューしていることは常々申し上げてきた訳ですが、連載作品の場合、原則として「単行本の最終巻」が発売された時点でレビュー解禁することにしています。これは、単行本で加筆修正が成される可能性があるので、その点を確認してから評価したい、という考えに基づいています。
 では、読切作品の場合はどうなのか? 当然、読切でも単行本化する時点で修正が加えられる可能性があるので、出来れば単行本化してから評価したい訳ですが、残念ながら全ての読切作品が単行本に収録される訳ではなく、雑誌掲載のまま二度と日の目を見ない作品も数多く存在しており、そういった「単行本未収録作品」の存在を世に知らしめたい、という願望も私の中にはある訳です。
 その意味で、どの時点で「この作品は単行本には収録されないだろうから、もうレビューしてもいいだろう」と割り切るかは、非常に難しい問題なんですね。たとえ70年代の単行本未収録作品であっても、描いたのが大御所であればいずれ単行本化される可能性はある以上、明確な基準は作れません。
 で、今回の「ダウン・ザ・ライン」に関しては、バリバリ現役の人気作家の読切ですので、普通に考えれば今後「短編集」もしくは「何らかの作品の巻末」に収録される可能性は十分にあるのですが、作者が初めて「講談社」で描いた作品ですので、小学館系を主戦場としている間は、日の目を見る可能性は低いのではないかな、と勝手に判断して、掲載から僅か1年ちょいの現状で、あえて紹介させてもらうことにした次第です(個人的には、出来れば何らかの形で単行本に収録して欲しいんですが)。
 同様に、以前に紹介した『ウィニングショット』のように、連載作品でも(年代および作者の知名度から考えて)単行本化の望みが薄いと思った場合は、単行本化する前にレビューすることはあります。まぁ、この辺の私の「見切り」の予想は、出来れば外れてくれた方が嬉しいんですけどね。