全米オープンと杉山愛

 どうやら今年の全米男子も、このままフェデラーが六連覇しそうな勢いですね。ただ、あれだけ不安視されてたナダルも(この原稿を書いてる時点では)まだ残ってるので、どうなるかは分かりませんね。ジョコビッチもそろそろ勝っておきたいところでしょうし。
 女子の方は、まさかのクライシュテルス完全復活(?)に加えて、19歳コンビの大躍進で、一気に面白くなってきましたね。個人的には、ベルギー対決の決勝戦が見たいかなぁ。それに触発されて(前々から噂されていた)エナンのツアー復帰が実現すれば、ロシア勢に押され気味だった西欧組もまた一気に活気づくと思う訳ですが。
 一方で、ショックだったのが杉山愛の引退宣言。いや、勿論、年齢的にはもういつ引退してもおかしくない歳だった訳ですが、逆に言えば「引退出来るタイミング」はいつでもあったにも関わらず、長く続いた日本テニス界の暗黒時代に孤軍奮闘し続けて、四大大会連続出場62という前人未到の大記録を打ち立てていただけに、「この人は多分、身体が動かなくなるまで現役でプレイするんだろうなぁ」と、勝手なイメージを押し付けていたんです。
 でも、違ったんですね。本人はただ長く続けたいだけじゃなくて、「トッププロと対戦出来る位置に居続けていること」がモチベーションだったんですね。そして、それを維持出来なくなった時点で引退というのは、確かにそれはそれで筋が通った話でしょう。そう考えると、伊達公子復帰の際に、どこか冷めたコメントを残していたことも、なんとなく納得出来ます(これはどっちが正しいという意味ではなく、両者のスタンスの違い、ということで)。
 最後の東レの勇姿、楽しみにしています。