「週刊少女漫画」の復活は不可能?

 今でこそ「週刊漫画雑誌」は男性向けの専売特許のように思われていますが、昔は少女漫画誌も週刊誌だった時代があるんですよね。wikipedia先生によると、『少女コミック』は1970〜1978年、『少女フレンド』は1962〜1974年、『マーガレット』は1963〜1988年の間は、いずれも週刊誌だったそうです(実際、その頃の少コミの正式名称は『週刊少女コミック』でした)。では、なぜこれらの雑誌は月2回発行体制へと移行し、以後も「週刊少女漫画雑誌」は現れなかったのでしょうか?
 よく「少女漫画の繊細な絵は描くのに時間がかかるから」という説明を聞きますが、別に上記の「週刊時代の少女漫画家の方々」の絵が今と比べてそれほど雑だったという訳でもないと思います。もし仮に、昔と今とでは絵に費やす時間が全然違うのだとしても、そのような形での「進化(?)」は週刊少年漫画の世界においても起きていると考えるのが妥当であり、少女漫画でのみ不可能になったとは考えにくいです。
 また、少女漫画家でも、一人で何本も同時連載を抱えている人もいます。今回紹介したまゆたんはその典型ですし、(少女漫画家と言って良いか微妙ですが)CLAMPなどもそうでしょう。おそらく、この人達がそれぞれ一つの作品に集中すれば、週刊連載も可能ではないかと思われます。
 更に言えば、最近は週刊少年誌(徳にマガジン)で描いている女性作家も多い以上、「男女の体力差の問題」という解釈も妥当とはいえません。
 そう考えると、やっぱり採算的な都合なのでしょうかね? フレンド本誌が数年前に廃刊し、別フレだけが生き残っている現状から察するに、ハイペースな少女漫画雑誌を発行し続けることは、出版社にとっては厳しいのかもしれません。
 あくまで憶測に基づく印象論ですが、少女漫画は少年漫画以上に「単行本派」が多い気がします。そしてその要因の一つは「女性は平気な顔してジャンプを買えるのに、男性が少女漫画誌を買うと変態扱いされる」という点にあると思います。なので、男性の少女漫画ファンの大半は、雑誌を買いたくても買えず、単行本派にならざるを得ないのが現状なのです(女性には理解しがたいかもしれませんが、まだ単行本の方が雑誌よりは買いやすいのですよ、なぜか)。
 逆に言えば「男性の少女漫画愛好家も買いやすい雰囲気(表紙の装丁など)の少女漫画雑誌」というコンセプトであれば、「週刊少女漫画」を成立させるだけの読者層を確保出来るかもしれません。とりあえず、表紙から「ピンク」「水色」などの淡い雰囲気の色の割合を減らしてくれるだけでも、結構印象が変わって買いやすくなると思うのですが、そうすると本来の読者層へのアピールが弱まってしまうのですかね……。
 そう考えると、むしろ「中性週刊誌」を目指した方が現実的なのかもしれませんね。90年代の『WINGS』や『NORA』のような方向性で、「男性向け漫画と女性向け漫画が混在した週刊誌」があったら、それはそれで需要がありそうな気もするんですが……、ダメですかね?