週刊漫画の「あらすじレビュー」の存在意義

 今回の話は、ウチみたいな単行本単位(しかも旧作中心)のレビューブログとはあまり関係ないのですが、前々から思っていたことなので、ちょこっと語らせてもらおうかと。
 週刊少年漫画のレビュー・感想を雑誌連載ペースで書いている人々はネット上にも多い訳ですが、中には、完全にネタバレするレベルであらすじを全て書く人もいます。これは、「ネタバレを極力避ける」というウチのスタイルとは正反対の方針であり、他の漫画ブロガーの人々からの批判に晒されることも多いです。
 確かに、特に画像を多く使ってあらすじを解説する人々の場合、「雑誌を買わなくても楽しめる」レベルで情報を掲載すると(程度の問題ではありますが)、出版社側から著作権法違反で訴えられる可能性が高まりますし、実際にそれが雑誌の売上に影響してしまう可能性も無いとは言えないでしょう。
 ただ、それでも、私はこの手の「あらすじ中心サイト」さんのことを批判する気にはなれません。なぜなら、私自身がその恩恵にあやかっていた時期があるからです。
 それは2003年〜2004年にかけての約一年間、私がスウェーデンに留学していた時です。最近は海外でもすぐにジャンプの新号が読める国もあるらしいですが、少なくとも当時のスウェーデンでは、それは不可能でした。そんな私が、留学から帰ってからテニプリやアイシールドの物語をすんなりと追うことが出来たのは、詳細なあらすじを紹介してくれていたファンサイトさんのお陰なのです。
 多分、同じ様に長期の「海外留学」や「海外出張」を経験した方なら、この感覚は御理解頂けるのではないかと思います。日本の友人に郵送してもらうには金額的に厳し過ぎるし、かといって全部スキャンして送ってくれとも言えず、どうにもならない時は、やはりファンサイトの「詳細なあらすじ解説」は、非常に助かるのです。
 もっとも、当時の私が参照にしていたサイトは、全然画像を使っていないサイトばかりだったので(まだスキャナが高かったのでしょうかね?)、たとえばテニプリの関東大会D1の仁王・柳生ペアのアレなんかは、文章で読んでもサッパリ意味が分からなかったんですけどね(苦笑)。あの時代にいけさんがいてくれたら、もう少し素直にスウェーデンでも楽しめただろうになぁ、と思う訳です。
 無論、著作権的な意味で、どこまでがセーフかを決める権利は出版社側にあるので、その辺との折り合いの中で進めていくべき問題だとは思うのですけどね。ただまぁ、画像を使うにせよ、使わないにせよ、「ただ、あらすじを紹介するだけの記事」にも、それはそれで需要はあるんですよ、ということを主張したかった訳です。
 無論、だからと言ってこのブログの「詳細なあらすじを書かない主義」を今更撤回するつもりはありません。そこはそれ、それぞれのブログ/サイトごとにその役割を住み分けして、それぞれの需要のある読者層に向けて書いていけば良いのではないかと考えている次第です。