「このマンガが凄いから読め」2011年版

 遂に正式に募集が始まりましたので、さっそく私もこすヨメ’11に投稿したいと思います。ということで、今年単行本が発売された漫画の中から、私が推薦したい五冊を挙げさせて頂こうかと。


5位:あづち涼そふてにっ

そふてにっ(3) (BLADE COMICS)

そふてにっ(3) (BLADE COMICS)

 祝・アニメ化! ようやく役者も揃って、まともに(?)テニスするようになって、着実に面白くなりつつある中での大抜擢。エロコメ要素ばかりが注目されてるけど(実際、それがメインだとは思うのだけど)意外にしっかりソフトテニスの面白さも描いてくれてる点は、当ブログとしても好印象。個人的には、岬と玲緒が好き。白玉の中なら、琴音と来栖かな。


4位:中村尚儁『1/11』

1/11 じゅういちぶんのいち 1 (ジャンプコミックス)

1/11 じゅういちぶんのいち 1 (ジャンプコミックス)

 精鋭揃いのSQ19の若手組の中でも頭一つ抜き出た作品。年末の土壇場で単行本が発売されたことで、急遽ランキングに食い込みむことに。サッカー漫画は専門外だけど、純粋に人間ドラマとして楽しめる普遍的な名作だと思う。さすがに第一話を読んだ時ほどのインパクトは薄れてきたけど、地味に「いい話」を演出出来る才能は、一番貴重ではないかと。


3位:車田正美/手代木詩織『聖闘士星矢 冥王神話 LOST CANVAS

 段々と主要人物が退場していき、物語もそろそろ終焉かな、と思いきや、まさかのアローンのクーデターによって流れが一変。実質的に正ヒロインと化したパンドラ様の情念に燃える姿の美しさが光り続けた一年であった。一方で、原作でも描かれなかった梁山泊筆頭の「天魁星」がまさかの超設定で登場するなど、このまま最後の最後まで楽しませてくれそうな予感。


2位:渡辺多恵子風光る

風光る (29) (フラワーコミックス)

風光る (29) (フラワーコミックス)

 今年の大河の慶喜があまりにヒドすぎたからこそ、独特の解釈であの「つかみ所のない人物」を最高にカッコ良く描いてくれたことに感動。更に意外な形で尾張公を物語に引っ張り込むなど、もはや新撰組モノの域を超えたスケールの物語展開は、ひたすら圧巻。今年はアサギも面白かったし、薄桜鬼の漫画化やピスメの復活もあったけど、まだまだトップランナーの座は譲らない。


1位:寺島雄二『ダイヤのA

ダイヤのA(21) (講談社コミックス)

ダイヤのA(21) (講談社コミックス)

 私の中では、文句無しにブッチギリの一位。あの決勝戦は、色々な意味で野球漫画史上に残る最高のエピソード。その後はちょっとトーンダウンした感は否めないけど、あの9回の攻防には、これまで幾多の人々を魅了し続けてきた高校野球という独特の夢空間の魅力が凝縮されている。このタイミングでこんな展開を描いてしまった作者の決断には、心から敬意を表したい。まさに「これが野球だ」と痛感させられた瞬間だった。


 そんな訳で、今年の上位3強は、一昨年からずっと候補に挙がりながらもあえて「来年以降、もっと面白い展開が待っている筈」と信じて選外にしてきた作品群を、満を持して選出させて頂きました。一応、「一度選んだ作品は殿堂入り扱い」というマイルールを課している身としては、あえてこれらの作品を今年まで残しておいて良かったと、本当に心から思っている次第です。
 ちなみに、次点は『月華美刃』でした。てか、本来なら上位選出される筈だったのですが、土壇場で『1/11』が入ってきてしまった以上、ウチとしてはやはりスポーツ漫画を優先するのが筋ですので、(厳密には別雑誌ですが)レーベル枠を考慮して、今回は選外に。他にも、今年は選びたい作品は沢山あった訳ですが、それらの作品群もまた来年以降のランキングで紹介していきたいと思います。
 『そふてにっ』に関しては、なんだかアニメ化の御祝儀で入れたような形になってしまいましたが、違うんですよ。本当に、今年は入れようと思ってたんですよ。ニュープリはSQ枠の問題があるとか、RISEは単行本化の夢を果たす前に雑誌が消えちゃったとか、そういった問題で「テニス枠」が空いてたという事情もありますが、それでも今年の展開が面白かったのは事実ですし、どっちにしてもランクインは予定済みでした。ただ、来年以降もっと面白くなりそうな気もするので、その点だけはちょっと迷ったんですけどね。