竹内元紀『仕切るの? 春日部さん』

仕切るの?春日部さん (2) (カドカワコミックスAエース)

仕切るの?春日部さん (2) (カドカワコミックスAエース)

連載:『月刊少年エース』(2005〜2006年)
単行本:角川書店エースコミックス(2005〜2007年) 全3巻


 『Dr.リアンが診てあげる』の竹内元紀が、同作品に続いて『月刊少年エース』で連載した作品。単行本は全3巻。作者の他の代表作としては『シスター・ルカは祈らないで!!』『神はサイコロを振らない』など。
 主人公は、とある高校の生徒会長・春日部すみれ。スカートやパンツを履き忘れる癖があるほどの天然少女である彼女が、堅物で眼鏡の副会長・戸田唯、カリフォルニアからの留学生の書記・日高シンディー、エロ妄想が生き甲斐の会計・朝霞徹、男子高校生の(性衝動的な部分に特化した)性格をインプットされたモニター型ロボット・モロヤマ1号といった面々と共に、不条理と下ネタにまみれた学園生活を送ることになる、という物語。
 基本的な話の構造は『Dr.リアン』と同じで、ひたすら下品な駄洒落を中心としたギャグが展開されることになるのだが、一つ重要な違いは、専業ツッコミキャラとしての戸田の存在である。『Dr.リアン』においては分業型だったツッコミの役割を、本作品では彼女が半分以上担当しているため、その分、他のキャラが遠慮なくボケに徹することが出来ている(あと、私の中では彼女は萌えキャラとしてもポイントが高い)。
 テニス描写に関しては、第26話の「テニス部に巨乳が多い」発言、第39話の作中劇に登場する「悪魔超人 お超夫人」、第50話の妄想話内での「病弱なお嬢様が実はテニス部という設定」の三点であるが、正直言って、どれも「その部分を割愛しても全く展開に支障がないレベルの小ネタ」にすぎない。だが、このレベルの小ネタの積み重ねこそが本作品のエッセンスであり、その意味では、決して軽んじてはいけない諸要素の一つなのである。
 正直、最初はあまりのハイテンションにドン引きしてしまう人も多いと思うが、そのテンポに慣れてしまえば、実に濃密なギャグの応酬を堪能出来る。ただ、一気読みすると頭が疲れるので、少しずつ楽しむ方がいいかな。